2019年に発売された『メトロエクソダス』を今更ながらプレイしてみたのですが、これがもう本当に素晴らしい作品でした。6年という時間が経っても全く色褪せない、むしろ今プレイしても十分に現代的で魅力的な大作RPGです。
細部へのこだわりが生み出す圧倒的な没入感
このゲームの最大の魅力は、なんといっても現実的なモーションと世界観への徹底したこだわりでしょう。例えば、蜘蛛の巣に遭遇した時にライターで焼いて道を作るというアクション。これってゲームだと「ボタンを押して障害物を除去」みたいな単純な処理になりがちですが、メトロエクソダスではちゃんとライターの炎で蜘蛛の巣を焼くという自然な動作として表現されています。
そして忘れてはならないのが、ガスマスクを拭うボタンの存在。汚れたガスマスクを手で拭いて視界をクリアにするという、一見地味だけど現実的な動作がゲームに組み込まれているんです。こういった細かなディテールが積み重なることで、プレイヤーは本当にその世界に入り込んでいる感覚を味わえます。

思わず体が反応してしまうリアリティ
個人的に一番印象に残ったのは、蜘蛛が腕を這うシーンです。あまりにもリアルに描かれているので、プレイ中に思わず自分の腕が痒くなってきました(笑)。これってゲームとしては最高の褒め言葉だと思うんです。画面の中の出来事なのに、プレイヤーの体に実際に影響を与えるほどの表現力があるということですから。
筆者が思う『メトロエクソダス』の良いところ・悪いところ
◎良いところ(Good)
● 全てのNPCにセリフが用意されている
メインキャラはもちろん、列車内で会話する仲間や各地で出会う人々にまで細かくセリフが用意されており、まるで実際にその世界に生きる人々と接しているような感覚になる。世界観の深みを支える大きな要素だと感じました。
● ストーリーと探索のバランス
一本道すぎず、かといって広すぎず。オープンなフィールドと密度の高いイベントが程よく配置されていて、探索しても物語に置いていかれない絶妙な設計が心地よいです。
● 武器のカスタマイズが熱い
武器の分解・清掃・カスタマイズをその場でリアルタイムに行える仕様が秀逸。ジャンクから理想の武器を作り上げる楽しさは、クラフト要素が好きなプレイヤーにはたまらないポイントです。

● 仲間との交流がしっかり描かれている
列車内での仲間たちとの会話やイベント、プレゼントのやり取りなど、戦闘の合間の“日常”描写が丁寧に作られていて、感情移入しやすい構成になっています。ラストへの感動にもつながる重要な要素です。
△悪いところ(Bad)
● ホラー要素が苦手な人にはツラい
地下道や廃墟での蜘蛛・変異生物の演出はかなりグロテスクで、虫嫌い・ホラー苦手な人には厳しいシーンも多め。
…まぁでも、苦手な人はやらなきゃいいだけなので、これは「悪いところ」と言えるかは微妙かもしれません(笑)
● カルマ値(モラルシステム)がわかりづらい
作中の「カルマ値」によってエンディングが分岐するのですが、その基準が明確に提示されていないため、初見では気づかぬうちに“バッドエンド”に進んでしまうことも。
善行・悪行の定義が曖昧なので、意図的に良い結末を目指すのがやや難しく、プレイヤーによっては不親切に感じるかもしれません。ちなみに、筆者は初回プレイ時バッドエンドを迎えてしまいました😢
まとめ|これはもう「ゲーム」じゃなくて「体験」
『メトロエクソダス』は、単なるFPSゲームを超えた、真の意味での「体験型エンターテインメント」だと思います。細部へのこだわりと現実的なモーションが生み出す没入感は、2025年の今プレイしても全く古さを感じさせません。
まだプレイしたことがない方は、ぜひ一度体験してみてください。きっと、ゲームの世界に文字通り引き込まれる感覚を味わえるはずです。ただし、蜘蛛が苦手な方は覚悟してくださいね(笑)。
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