AIに文章を書いてもらったとき、「内容は合ってるけど、いかにもAIが書いた感じがする」と思ったことはありませんか。大学のレポートなど、しっかり読むとバレるクオリティで出すとやばいので、このプロンプト術を使ってみてください。
「〜することが大切です」「ぜひ試してみてください」「いかがでしたか」。こういう言い回しが積み重なると、文章全体がどこか薄っぺらく見えてしまう。「自然な文章にして」とお願いしても、あまり変わらなかった経験がある人も多いはずです。
今回紹介する Negative Constraints(ネガティブ制約) は、「やらないでほしいこと」を具体的なリストにして渡す型です。ふわっとした注文ではなく、禁止事項の列挙。これだけでAIっぽさがかなり消えます。
Negative Constraintsとは?
Negative Constraintsは、一言でいうと「禁止事項を具体的に列挙して、AIの出力から特定のパターンを排除する」手法です。
たとえると、飲食店のアレルギー対応に近いです。「体にいいものを作って」という注文は解釈が無限にありますが、「卵と乳製品は使わないで」なら誰が作っても確実に守れます。抽象的な要望より、具体的な禁止のほうがブレなく実行できる。AIも同じです。
ここで大事な前提がひとつあります。AIは「曖昧な禁止」が苦手です。「AIっぽくしないで」「不自然な表現を避けて」のようなふわっとした指示は、何を消せばいいのかAI側で特定できないため、効果が出にくい。逆に「この言い回しは使うな」と具体的に列挙すると、きちんと守られます。
なぜ効くのか
①「何を消すか」が明確になるから
「自然にして」という指示では、AIはどこが不自然なのか判断できません。「『〜することが大切です』を禁止」と書けば、消すべき対象がピンポイントで特定されます。指示が実行可能になる、というシンプルな話です。
②禁止された表現の「代わり」を探し始めるから
定番の言い回しを封じられたAIは、別の表現を探さざるを得なくなります。この過程で、テンプレ的な文章から一歩踏み込んだ表現が出てきやすくなります。禁止リストは単なる削除ではなく、表現の幅を広げるスイッチとしても働きます。
なお、AI各社の公式ガイドでは「してほしいことを肯定形で伝える」ことも推奨されています。禁止リストが効くのは事実ですが、「代わりにどうするか」をセットで書くとさらに精度が上がります。この点は記事の後半で触れます。
コピペOKプロンプト
以下をそのままコピーして、「[ ]」に作りたいものを入れてください。禁止リストは用途に合わせて差し替えOKです。
以下を作成してください。ただし禁止事項は厳守してください。
①「〜することが大切です」「〜と言えるでしょう」の使用禁止
②「いかがでしたか」「ぜひ試してみてください」の使用禁止
③冒頭の挨拶・前置き禁止
④同じ語尾(です・ます)の3連続禁止
⑤箇条書きの多用禁止(使うのは1か所まで)
違反したら全部書き直してください。
作成対象:[ ]
最後の「違反したら全部書き直してください」の一文もポイントです。禁止事項の優先度が上がり、守られやすくなります。
実践例:before / after
「フリマアプリに出品する冷蔵庫の商品説明文」で試してみました。商品説明がAIっぽいと、読んだ人に警戒されて売れにくくなる、という実用的な場面です。
🔴 before:普通のプロンプト
「フリマアプリに出品する冷蔵庫(3年使用・一人暮らし用)の商品説明文を書いてください。」
→ 結果:「こちらは3年間使用した一人暮らし用の冷蔵庫です。大切に使用していたため、状態は良好です。お引越しやご新生活を始める方にぴったりの商品です。ぜひご検討ください。」という、どの出品ページにも書いてありそうな文章になりました。悪くはないですが、テンプレ感が強くて印象に残りません。
🟢 after:禁止リストを付けたプロンプト
フリマアプリに出品する冷蔵庫(3年使用・一人暮らし用)の
商品説明文を書いてください。ただし禁止事項は厳守してください。
①「大切に使用していました」「状態は良好です」の使用禁止
②「ぴったり」「ぜひご検討ください」の使用禁止
③体言止めの多用禁止
④具体的な情報(傷の位置・動作状況・サイズ感)を省略することの禁止
違反したら全部書き直してください。
→ 結果:「ドア右下に1cmほどの擦り傷がありますが、冷却機能に問題はありません。庫内は月1回アルコール拭きしていました。2Lペットボトルが3本立てて入るサイズ感です」のように、具体的な情報中心の説明文に変わりました。テンプレ表現を封じたことで、実際に使っていた人にしか書けない内容が前に出てきた形です。
使いどころと注意点
✅ こんな場面で使う
- 文章のテンプレ感・AIっぽさを消したいとき
- 特定の言い回しがどうしても気になるとき
- SNS投稿・商品説明・メッセージなど、「人が書いた感」が大事な文章
❌ これには向いていない
- 禁止事項が思いつかない段階(まず普通に出力させて、気になった表現を禁止リストに入れるのが正順)
- 形式や事実関係を整えたいとき(それはDay 6のテンプレ固定が向いている)
注意点として、禁止リストを増やしすぎると、AIが萎縮したような不自然な文章になることがあります。1回のプロンプトで5個前後が現実的です。それ以上入れたい場合は、本当に効いている禁止事項だけに絞り込んでください。
🔧 上級者向け:禁止と指定をセットにする
ここは応用の話なので、読み飛ばしてOKです。
禁止リスト単体より、「禁止+代わりにどうするか」をセットで書くと精度がさらに上がります。
①「状態は良好です」禁止 → 代わりに具体的な状態(傷・汚れ・動作)を書く
②「ぜひご検討ください」禁止 → 代わりに購入後のイメージが湧く一文で締める
禁止だけだと「何を書けばいいか」が空白になりますが、方向を示せばその空白が埋まります。「やるな」と「こうやれ」の両輪で指示するのが、この型の完成形です。
まとめ
- Negative Constraintsは「禁止事項を具体的に列挙してAIっぽさを消す」型
- 曖昧な禁止は効かない。言い回し単位で具体的に挙げるのがコツ
- 禁止は5個前後まで。「代わりにどうするか」をセットにするとさらに効く
まず普通にAIに書かせてみて、気になった言い回しをメモしてください。それがそのまま自分専用の禁止リストになります。使うほどリストが育っていくのがこの型の面白いところです。
⚠️ この記事の情報は執筆時点(2026年6月)の内容です。AIツールの仕様・挙動はアップデートで変わることがあります。最終確認は各サービスの公式サイトや一次情報でお願いします。
📎 引用・参考
・Anthropic “Prompting best practices”(Claude公式ドキュメント)
https://platform.claude.com/docs/en/build-with-claude/prompt-engineering/claude-prompting-best-practices
次回予告
次回は「XML Structured Tagging(XMLタグ構造化)」を紹介します。ゴール・背景・制約・参考例をタグで区切って渡すことで、AIの読解精度を上げる型です。長めの指示を出すときに効果を発揮します。
👉XML Structured Taggingとは?情報をタグで仕切ってAIの理解度を上げるプロンプト術


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